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境内の御案内
- 厄難除け木の俣くぐり
伊太祁曽神社の御祭神である五十猛命(いたけるのみこと)は『日本書紀』に木の神・植樹神として記されていますが、『古事記』では因幡の素兎(いなばのしろうさぎ)の続きの部分で大屋毘古神(おおやびこのかみ)の神名で登場し、いのち神として記されています。
兎を助けヤガミヒメと結ばれて幸せになった大国主神(おおくにぬしのかみ)ですが、やがて嫉妬する八十神(やそがみ)たちから様々な嫌がらせを受けます。そして遂には生命を脅かされることになって行きます。心配した母神である刺国若姫(さしくにわかひめ)は、大国主神を紀伊国の大屋毘古神の元へ行くように助言します。大屋毘古神は木の国に坐す五十猛命の別名でした。はるばるやってきた大国主神から事情を聴いた大屋毘古神は木の俣をくぐらせて、大国主神の生命を救います。そして生命を助けられた大国主神は出雲国へ帰り国造りを始めました。
この 『古事記』 に記される神話にちなみ、割拝殿の木の俣をくぐると大屋毘古神の御神徳により災難から逃れられると伝えられています。
木の俣くぐりの木は、古くより伊太祁曽神社の御神木として聳えていた樹齢800~1000年と云われる杉の木です。昭和37年に落雷があり燃えてしまいましたが、外側が燃え残り煙突状になりました。それでもしばらくは生きていたようですが、やがて枯れてしまいましたので伐採したものです。
神話になぞらえてつくり出したものではなく、自然の力で人がくぐることのできる穴ができ、しかも御神木だった樹木ということから、いつしか古事記神話に登場する木の俣くぐりが現代に甦ったものとして、「厄難除け木の俣くぐり」と称されるようになりました。
木の俣くぐりの手順
まず御本殿にお参りします。
次に木の俣をくぐります。紙垂のついている方(注連縄の結び目のある方)から入り、向こう側へ抜けます。中で立ち上がってみると、御神木の大きさを感じることができます。
古事記に記される木の俣くぐりにまつわるお話を絵本にしました。 いそげ いそげ 木の国へ |